本年1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」により、被災された方々に、謹んでお見舞い申し上げます。
また、被災地等におきまして、救援や復興支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表しますとともに、皆さまの安全と1日も早い復旧・復興を衷心より祈念申し上げます。
公立八鹿病院組合 管理者 富 勝治 |
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
◆令和5年度の動き
5月にコロナ感染症が5類に移行され、それに伴い令和4年度のコロナ感染症に関する補助金が5年度にはほとんど見込めない状況です。一方、医師・看護師をはじめとする慢性的な職員不足に追い打ちをかけた病院3回・老人保健施設2回のクラスター発生、更には光熱水費の高騰を受け、収支決算は厳しい状況です。
4月に新院長として西村正樹滋賀医科大学教授が就任しました。一方、後藤前院長は特任内科主任部長として内科を総括することとなりました。また後藤医師は専門領域である心臓リハビリテーション部門を指揮し、今後の発展が期待されています。
また、令和4年12月の分娩休止以降、復活を模索していますが具体的方策は未だ見いだせない状況であり、当面は婦人科診療の継続に注力してまいります。
◆新たな時代に向かって ~地域と共に~
八鹿病院組合の役割は、①病院 機能、②福祉センター(訪問看護・老人保健施設)、③看護専門学校が中心であります。
①では地域に発生した当院で対応可能な急性期医療を継続すると共に、リハビリや療養部門における回復・慢性期診療を継続発展させます。
②ではこれまでの歴史と経験を生かして但馬全域への貢献を目指します。とりわけ認知症においては医療・医学のみならず、介護・福祉を含む社会問題としての課題も含んでいます。一方、この度、院長として迎えた西村正樹医師は神経内科の中でも認知症を専門領域としています。今後、認知症治療においては新たな展開が期待されており、八鹿病院での診断・治療とリハビリテーション、訪問看護、老人保健施設での生活領域への介入が、同疾患の発症と進行予防におよぼす影響を総合的に検討する貴重な組織として期待されます。
③では、八鹿病院を含む但馬全域の看護師不足解決に向けてその役割は大きく、入学希望者の増加を願っております。修学資金制度の充実によりご本人の経済的負担の軽減も図っています。
公立八鹿病院 院長 西村 正樹 |
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新型コロナウィルス感染症はようやく軽症化し、5月より5類に移行されましたが、その後も感染力は衰えず、時に院内クラスターを経験しました。累計の死亡者は国内で6万人以上、全世界では550万人以上に及び、さらに超過死亡数を含め歴史的なパンデミックとなりました。
マイクロソフト社の創始者ビル・ ゲイツ氏は25年以上も前から、未知ウィルスによるグローバルな感染症蔓延が将来の社会的脅威になることを予測し警告していた一方で、ごく一部の感染症専門家を除き、我々医療関係者の多くは”従来のコロナウィルス感染症“の固定観念にとらわれていた節があります。感染拡大の当初からしばらくは、「そのうち収束に向かう」という根拠なき楽観が潜んでいたことを白状しなければいけません。未だ終息したわけでもなく、反省を込めて先入観の怖さを思い知らされます。
昨年を振り返りますと、4月には院長交代とともに6年振りとなる小児科常勤医として井代 学先生を、整形外科には近畿大学から井上 紳司先生をお迎えしたほか、10名の若手新任医師が着任されました。また、 新たな専門外来として、4月から物忘れ外来(脳神経内科)、10月から失神外来(循環器内科)、さらに京都大学特任教授中尾一和先生による生活習慣病・内分泌代謝外来がスタートしました。養父市ご出身である中尾先生には、若手医師の教育や病院活動へのアドバイスなど多角的なご指導をお願いしています。
わが国でもアルツハイマー病の根本治療薬(疾患修飾薬)が初めて承認になり、認知症医療そのものが変わる契機になると言われています。 折しも、今春には養父市に医療文化経済グローカル研究所が発足し、日常生活から健康加齢と幸福度向上を追求する挑戦的な試みが始められます。高齢者の誰もが脅威に感じる認知症に対する予防、治療、介護は当院でも重要な取り組み課題であり、今後も皆様のご期待に添えるよう尽力する所存です。
新しい年の初めにあたり、皆様のご健康とご多幸を祈念するとともに、変わらぬご厚情とご支援をお願いいたします。