PET-CT - 一歩進んだ、がん・認知症診療へ -

画像診断科

当院では、2024年11月より但馬地域で初めてとなるPET-CT装置を導入しています。
主に、がんや認知症(アルツハイマー型認知症)の診療に役立てています。

 




PET-CT装置とは

PETとCTが一体型となった装置です。撮影で得られたPET画像にCT画像を重ね合わせることで、病変の位置とその範囲がよりわかりやすくなります。

PET-CT装置
PET-CT装置


病変がわかる仕組み

がんや認知症など、目的ごとに微量の放射線で目印をつけたお薬を注射します。体内にお薬が入ると目的の臓器(病変)にお薬が集まり、そこから放射線が出ている様子をPETで画像化します。

がんのPET-CT検査は、「がん細胞は正常の細胞に比べて多くのブドウ糖を取り込む」という性質を利用して、ブドウ糖(FDG)を注射することでFDGを取り込んだがん細胞の位置や大きさ、進行の度合いを調べることができます。



FDG-PETでわかる病気

以下のように、多くのがんを発見することができますが、臓器や部位によっては発見しにくいがんもあります。



PET-CT検査の活用について

副院長・放射線科部長
小山 司 医師

がんを調べる「FDG-PET」
FDG-PETは、がんの診断に必要不可欠な検査であり、最も一般的におこなわれています。
 FDG-PETを受けて、異常がなかったある医療関係者が「とりあえず、がんは大丈夫で安心した」と話しているのを聞いたことがあります。100%正しいわけではありませんが、それくらいFDG-PETは、がんの診断に威力を発揮します。
 (※高分化肺がん、高分化肝がん、早期胃がん、微小ながんなどは、FDGが集積しないことがあります)
 

FDG-PETの対象者は?
FDG-PETは、誰でも検査を受けられるのではなく、保険診療上、臨床的にがんの診断がついている方が対象となります。がんがあって治療方針を決める際に、どれぐらい進行しているのか、がんの手術後に再発や転移がないかなどを調べる際に使われます。

では、PETでがんを調べたい方はどうすればいいのかということになります。ご存じの方もあると思いますが、以前からPET検診というものがあります。保険診療外となりますが、当院でも令和7年4月から実施予定としています。

肺がん症例のPET画像

肺がん症例のPET+CT画像


認知症を調べる「アミロイドPET」
認知症で最も多いのが、アルツハイマー病です。アルツハイマー病の原因は、アミロイドベータプラークが脳内に溜まるためと考えられています。アミロイドPETはそれを調べる検査です。
最近、アルツハイマー病の新しい治療薬「アミロイドベータ抗体薬」がわが国でも使用可能となりました。
この薬の適応を決めるために、アミロイドPETがおこなわれます。


アミロイドPETの対象者は?
この検査にも制約があります。もうすでに明らかにアルツハイマー病と診断されている方にはおこないません。軽度認知障害(MCI)や初期のアルツハイマー病疑いの患者さんが対象となります。
 

上の画像はアミロイドベータプラーク(赤部分)が脳内に溜まっているのがわかる



検査のながれ・検査費用のめやす

お薬を注射して安静にしていただいた後、ベッドに横になっていただくだけで、ほぼ全身を調べることができます。

がんの検査では食事の制限をお願いしておりますが、苦痛の少ない検査です。


FDG-PET

所要時間:2時間程度
(追加撮影時は2時間30分程度)
 ※事前に食事制限があります。
 

検査費用:30,000円程度(保険適用・3割負担の場合)



アミロイドPET

所要時間:2時間程度

検査費用:75,000円程度

(保険適用・3割負担の場合)



PET-CT検査の予約方法
<個人の方>
当院通院中の方
他院通院中の方

八鹿病院でPET-CT検査が受けられます
まずは、かかりつけ医にご相談ください。

<個人の方>
通院していない方
令和7年4月より、PET-CT検診が受けられます。
詳しくはこちらからご確認ください。
⇒PET-CT検診のご案内

【お問い合わせ】健康センター
 

<医療機関の方>
医療機関からPET-CTを予約する

下記まで電話でお申し込み後、診療情報提供書等をFAXにてお申し込みください。

【お問い合わせ・検査依頼】地域医療連携室

 ⇒予約方法・書類ダウンロードなど詳しくはこちらから

 


放射線科医師、診療放射線技師、看護師等がチームとなり診療に取り組んでいます。
不安なことなど、お気軽にご相談ください!


ページTOPへ