林 行雄(副院長・麻酔科部長)よりごあいさつ

麻酔科


2年目のごあいさつ
副院長・麻酔科部長 林 行雄

1年前にこのHPを借りて着任のご挨拶をいたしましたが、早いものでもう桜の季節がめぐってきました。2年目にあたり、少しずつではありますが、麻酔科医としてできること増やしていき、地元の皆様にお役に立てればと思います。

2つ明るいニュースがあります。4月1日から八鹿病院組合の奨学生である片渕先生が、1年の大阪医科薬科大学病院での麻酔科研修を終えて八鹿病院に帰還されました。彼女は日本麻酔科学会が認定する大阪医科薬科大学麻酔科専門研修プログラムに沿って、八鹿病院で麻酔科専従医として麻酔科研修をおこなうもので、研修予定は1年です。マンパワーが増えればできることは各段に広がりますので、これを機会に麻酔科としての守備範囲を広げていければと思っています。

さらに、4月には私の母校である大阪大学の医局より循環器担当部長として大畑先生が赴任されました。これまで八鹿病院では、循環器疾患の合併症を持つ患者さんの手術は、術後に循環器合併症が重症化した場合は十分な診療ができないため、豊岡等の大病院に紹介せざるを得ませんでしたが、大畑先生の赴任に伴い、循環器疾患を持つ患者さんの手術も受け入れ可能となっていくものと思います。これは私としてはとてもありがたいことです。循環器合併症を有する患者さんの麻酔管理は、きわめて重要な研修課題ですので片渕先生の麻酔科専門研修に大いに寄与するものと期待しています。

1年目では、とりあえずできることとして消化器外科手術の術後鎮痛について消化器外科の西田副院長のご理解を得ていくらか手を加えていきましたが、病棟の看護師さんもよく患者さんをみていただけることもあり、さらによりよい術後鎮痛方法を模索していきたいと思います。”八鹿病院で手術を受けたけど術後の痛みは大したことなかったよ”と言っていただけるようになれば、と考えております。

 この1年間での一番の収穫は、八鹿病院のパラメディカルスタッフがとても有能だとわかったことです。一般にパラメディカルとは医師の診断治療業務をサポートする病院スタッフの方々で、臨床検査科、画像診断科、リハビリ科、臨床工学科、薬剤部等のスタッフがこれにあたります。大阪の大きな病院でも、ここまで有能なパラメディカル部門を揃えているところは少ないと思います。言い換えれば八鹿病院は過疎地域の病院にありがちな医師不足ですが、その診療レベルをパラメディカルスタッフが支えてくれていると言えます。

特に、麻酔科の診療とかかわりが多いのは臨床工学科のMEさんと薬剤部の薬剤師さんです。先ほど述べましたように大畑先生赴任が八鹿病院での循環器疾患診療の復活の礎になると考えていますが、本院のMEさんの技量はそれを支えていただくに十分であると確信しています。

また、病棟のサテライト薬局におられる薬剤師の方々にはいくつか非常に興味深い提案をいただきました。彼女らの提案にはこの病院だけにとどまらず、日本、あるいは世界に向けて発信しても十分価値のあるものがありました。今年度はその提案をもとに臨床データを収集し、八鹿病院から研究データを日本のみならず世界に発信できればと思っています。地域の皆様にはご協力さらにはご鞭撻いただければ幸いです。

 HPの紙面を借りて、恐縮ですが、本年度もよろしくお願いいたします。


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