病気の症状と治療のながれ

外科

<消化器外科>

<一般外科>


- 消化器外科 -


消化器がん

当院で扱う消化器がんは、食道・胃・小腸・大腸・肝臓・すい臟・胆のうなど主に腹部内臓に発生するがんです。日本のがんで罹患数の多い部位は、1位大腸がん、2位胃がん、3位肺がん、4位乳がん、5位前立腺がんとなり、消化器がんが上位を占めています。死亡数においても、やはり消化器がんが多くを占めています。
男女共に50歳代以降に増加するので、次のような症状に注意が必要です。
 

<主な症状>

食道がん・・・食べ物がつかえる、飲み物が染みるなど
胃がん・・・胃の痛み、黒色便、吐血など
大腸がん・・・便に血が混じる、便が細くなる、便秘や下痢を繰り返すなど

肝臓がんや膵臓がん、胆のうがんは自覚症状が出にくいですが、慢性的な腹痛、濃い尿が続く、顔や目が黄色い(黄疸)などの症状で発見されることがあります。

 

<当院でおこなう検査・治療のながれ>

(検査方法)
確定診断をつけるために上部・下部内視鏡検査やがんマーカー、CT・MRI検査などの検査をおこないます。

(治療のながれ)
当院では、消化器内科も充実しているため、消化器がんの早期病変では、内視鏡(胃カメラ)で病変を切除して、治癒される患者さんもおられます。(細胞レベルの診断で、追加切除(外科手術)が必要な場合もある)

消化器がんの外科手術では、患者さんが思っているより大きな範囲を切除する場合が多くあります。500円硬貨くらいのがんを、手のひらの大きさ以上に大きく切ったりします。これは、がんが見た目を超えて広がっていたとしても取り残さないよう、大きく切除する必要があるためです。

手術は、ほぼ全身麻酔でおこなわれます。からだにメスを入れるということは、からだに大きな負担がかかるということです。特に消化器がんの術後は、すぐに食事ができないため、体力の回復にも時間がかかります。当院では、腹腔鏡などを用いた「からだへの負担が少ない手術」を安全性や根治度を優先しつつ、積極的に取り入れています。
術後は患者さんの年齢や体力、希望などを考慮したうえで、再発率を下げるためステージによっては補助化学療法(抗がん剤)や放射線治療をおこないます。

また、定期受診や適宜検査(採血によるがんマーカー、CT、MRI検査、内視鏡検査など)をおこない経過観察していきます。

低線量で鮮明な画像撮影が可能なCT

内視鏡治療の様子

開腹手術に比べ、からだへの負担が少ない腹腔鏡手術の様子

放射線治療は装置(リニアック)を使って高エネルギーの放射線や電子線を用いて腫瘍に照射し、がん細胞を死滅させることができます。照射中に痛みはありません。

1階外科外来と同じブロックに外来化学療法室を完備。仕事など社会生活を送りながら通院で化学療法を受けることができます。



胆石

胆嚢や胆管にできる結石のことです。胆石のもとは、脂肪の消化吸収を助ける働きをする胆汁という消化液です。胆汁は肝臓でつくられ、胆管を通って十二指腸へと運ばれますが、その途中にある胆嚢で濃縮されます。濃縮された胆汁の成分(コレステロール等)が結晶化し、やがて胆石となります。過食、肥満、アルコールの過剰摂取などは胆石形成の原因となります。

結石の場所によって、肝内結石、胆嚢結石、胆管結石と名前がつきますが、一般的に胆石というと胆嚢結石を指すことが多いです。胆嚢結石を放っておくと細菌感染(胆嚢炎)の原因となるだけでなく、胆道がんの発症リスクとなることも報告されています。
 

<主な症状>
胆嚢結石があっても必ずしも症状がでるわけではありませんが、次のような症状がでる場合もあります。
・みぞおちや右上腹部に痛みを生じる(胆石発作)
・細菌感染(胆嚢炎)を発症すると、強い腹痛、発熱、黄疸などが出ることがあります。
 

<当院でおこなう検査・治療のながれ>
(検査方法)
腹部エコー検査やCT、MRI検査などで胆石の場所や個数、胆嚢に炎症があるかなどを調べます。

(治療のながれ)
治療法は、内科的治療(胆石溶解療法、体外衝撃波)と手術(胆嚢摘出術)があります。内科的治療は結石を一時的になくすことはできますが、再発する可能性があります。一方、手術では胆嚢そのものを摘出するため、結石ができる場所をなくしてしまうという意味で根本的な治療といえます。
当院での胆嚢摘出術のほとんどは、腹腔鏡手術でおこなっています。1センチほどの創を4か所あけて、カメラで観察しながら手術をおこなう方法です。4~5日程度の入院ですることも可能です。胆石を指摘されたことのある方や思い当たる症状がある方は、一度診察を受けていただくことをおすすめします。



痔核

いわゆるイボ痔と呼ばれるものです。普段から便秘気味の人や、職業柄座る時間が長い人などは、肛門に負担がかかって痔核になりやすいといわれています。

<主な症状>
残便感がある、排便時に出血する、肛門の一部が腫れて痛むなど
 

<当院でおこなう検査・治療のながれ>
(検査方法)
肛門の診察により診断します。

(治療のながれ)
痔核の脱出があっても自然に引っ込むような比較的初期の段階であれば、炎症を抑える内服薬や塗り薬、坐薬などで治療(保存的治療)をおこないます。保存的治療を行なっても改善しない場合は切除術が必要になります。




一般外科

- 一般外科 -


鼠径ヘルニア

鼠径(そけい)部(足の付け根でしわになっている部分)に腸管や大網(脂肪)などの内臓が飛び出てくる病気です。(別名、脱腸といわれています)この部位には、男性では精子の通る精管や睾丸に行く血管、女性は子宮を固定する靱帯が通っていて、若干薄くなっています。高齢になり筋肉が弱ってきたり、壮年でも重い荷物を持ったりお腹に力を入れることが多い職業の方は、この部位に負担がかかって鼠径ヘルニアになりやすいようです。
普通は脱出した腸管や脂肪は再びお腹の中に戻りますが、腸管が飛び出た状態が続くと血流障害により壊死してしまうことがあります。(ヘルニア嵌頓)

<主な症状>
そけい部の少し上、内側あたりの痛みや膨れるなどの症状があります。
 

<当院でおこなう検査・治療のながれ>
(検査方法)
腹部診察やCT検査でヘルニアの大きさなどを確認します。

(治療のながれ)
治療法は、手術しかありません。 人工のメッシュを用いてヘルニアの穴をふさぎます。当院では腹腔鏡手術でお腹の中から修復する手術を主におこなっています。



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