2023年 新年のご挨拶

八鹿病院からのお知らせ



公立八鹿病院組合 管理者よりご挨拶
公立八鹿病院組合
管理者 富 勝治

「12月以降の分娩休止」との決断を経て2023年を迎えました。以下に但馬圏域地域医療構想と、八鹿病院(組合)の在り方を述べます。

一.地域医療構想
主要課題は各病院の役割分担と医療連携の構築にあり、その成果は地域完結型医療の完成度で評価されます。地域を特徴づける要因は①広域性、②人口密度、③高齢化率、④公立・公的大規模病院、大学医学部、民間病院の有無、⑤公的交通機関の利便性、等が挙げられます。これらの差異が地域医療構想の多様性を生み、 但馬圏域の特異性を物語っています。

二.地域医療構想の柱
①高度急性期医療、それに伴う②医療資源の集約、③各病院が担う近隣住民への日常診療継続、④医師確保の安定化などが挙げられます。

三.八鹿病院の役割 
但馬地域における高度急性期医療は豊岡病院、南但馬の二次救急は八鹿病院が担っています。「回復期リハビリテーション病棟」を持つ当院においては、退院後の在宅まで一貫したリハビリを実践しています。
また、消化器疾患では内科・外科の 低侵襲内視鏡・腹腔鏡手術、および整形外科領域の緊急手術等も継続します。

四.医師確保
医師は初期研修中に幅広い臨床経験を修得しながら、希望する専門分野を選びます。続いて各分野で専門性を修得し、さらに専門医としての活躍の場を求めます。一方、病院側は、前項で述べた医療資源の集約化や既存の診療分野充実などから受入れ医師との間に“相性”が成立します。今後の医師配属に関しては地域全体でおこなうことで、各病院が独自におこなう「医師確保」の負担が軽減されることを期待します。

五.地域完結型病院機能分化に向けて
人口減少を認識し、高齢化や広域医療圏を考慮した独自の環境づくりを図らねばなりません。各病院と住民と行政の三位一体が問われます。後年「但馬の地域医療整備は、あの頃から」と評価される年になることを目指して頑張る所存です。



公立八鹿病院 院長よりご挨拶
公立八鹿病院
院長 後藤 葉一

明けましておめでとうございます。皆様お揃いで良い新年をお迎えの こととお慶び申し上げます。

昨年は、新型コロナ感染が3年目に入る中、ロシアのウクライナ侵攻や安倍元首相銃撃事件が社会に大きな衝撃を与えました。一方でサッカーワールドカップカタール大会や野球の大谷選手・村上選手の活躍で日本中が大いに湧きました。

昨年の公立八鹿病院を振り返りますと、新型コロナ感染との戦いが2020年以降、3年目となりました。8月には院内でクラスターが 発生し一時的に病棟閉鎖を余儀なくされ、患者さんや住民の皆様にご心配やご迷惑をおかけしました。一方、昨年1年間で、発熱外来や院内でのPCRや抗原定量検査の総件数は1万2千件、陽性者数は2千人を超えました。受け入れた新型コロナ入院患者数は100人以上、ワクチン接種件数は延べ5千件を超えています。これらはすべて通常の診療に上乗せされた業務として行われており、八鹿病院職員の奮闘が多少とも地域の住民の皆様の安全や安心のお役に立てたのではないかと思っています。

診療面では、12月から産婦人科医師不足のため分娩を休止せざるを得ない状況になりました。住民の皆様にご不便をお掛けすることになり大変心苦しく存じますが、妊婦検診や産後ケアは引き続き継続し、また医師確保に全力で取り組みますので、どうぞご理解いただきますようお願い申し上げます。

新しい取り組みとして6月から心臓ペースメーカーの植込み手術を開始し、9月から心臓リハビリテーションを開始しました。また9月から眼科の白内障手術が月2回実施(月約10件)から毎週実施(月約20件)へ増枠されました。さらに内科に脳神経担当、循環器担当の常勤医師2名が新たに着任し、物忘れ外来・循環器外来の枠が増えました。これらにより、当院で提供できる治療や医療サービスの幅が広がりました。

お陰様で公立八鹿病院は、多難な状況の中で無事に1年を乗り切ることができました。これもひとえに皆様方の温かいご支援の賜物と深く感謝申し上げます。今年の八鹿病院は、引き続き南但馬地域において急性期から回復期・慢性期に至る質の高い医療・介護を提供し、皆様から信頼される病院をめざして職員一同、邁進いたします。

新しい年の初めにあたり、新型コロナ感染の一日も早い終息を願いつつ、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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