2025年 新年のご挨拶

八鹿病院からのお知らせ




公立八鹿病院組合 管理者よりご挨拶
公立八鹿病院組合
管理者 富 勝治

新年おめでとうございます。

「団塊世代が75歳以上になり、国民の5分の1が後期高齢者になる」2025(以下◇25)年が明けました。医療・介護・福祉に関する国の構想と八鹿病院組合事情の概要を述べます。
 

Ⅰ、地域医療構想
10年前、都道府県内の各医療圏で、◇25年度の医療需要と必要病床数を医療機能(高度急性・急性・回復・慢性期)ごとに予測し、地域医療構想として策定する事が決まりました。それを基に◇19年には厚生労働省から「全国424の公的病院が“再編・統合”議論の対象」として公表されました。但馬圏域では公立村岡病院を含む4つの病院が含まれ、病院関係者には驚きと困惑をもたらしました。
昨年12月、国では2040年(85歳以上・通院困難高齢者の増大、生産年齢人口の減少)を見据えて、新たな地域医療構想の案が公表されました。回復期機能には高齢者救急を含む事や在宅医療を支える病院の必要性等が謳われています。
 

Ⅱ、医師確保
全国都道府県別に医師の充足度を①充足、②普通、③不足で評価するアンケートがあり、兵庫県は②群との事です。但馬地域の医療事情とは相容れない結果です。
現在の八鹿病院医師確保は、①組合修学資金貸与(学生)医師、②兵庫県養成医師、③大学派遣医師、④諸ルートからの紹介等です。
今後もこれらを継続すると共に、八鹿病院で研修を終えた医師が帰属性を意識してくれる様に努めます。
 

Ⅲ、当組合の方針
①八鹿病院は回復・慢性期機能の強化及び対応可能な地元発症の救急医療提供体制維持、②村岡病院は回復期医療の継続、③訪問看護や老人保健施設は事業の継続・発展、等です。一方「新たな地域医療構想(案)」では在宅医療や高齢者施設の対応力強化と共に、軽~中等症を中心とした高齢者救急の受け入れ体制強化が謳われ、右記の方針はこの構想に概ね一致します。

公立八鹿病院組合は、人材確保や経営改善にも継続して取り組み、地域医療に貢献する所存です。



公立八鹿病院 院長よりご挨拶
公立八鹿病院
院長  西村 正樹

新年あけましておめでとうございます。

能登の震災に始まり、豪雨までもが追い打ちするなど、天災による被害の甚大化が心に刻まれた昨年でした。地球温暖化やそれに伴う気候変動が大きな要因ともされます。災害拠点病院として、当院も気が引き締まる思いです。

昨年の八鹿病院を振り返りますと、3月には「経営強化プラン」として今後4年間の目標と計画を策定しました。人口減少や高齢化の進む当地域も持続可能な社会づくりに向けたアプローチが求められていますが、医療介護分野でも中長期的な展望をもつことが重要です。高齢になっても安心して暮らせる地域包括ケアシステムを強化するため、市町と連携して取り組んでいきます。

また、8月には病院機能評価を受けました。日本医療機能評価機構が病院の運営管理および提供する医療について質改善を支援するもので、2004年以降5回目になります。

診療面では、6月より軽度認知障害に対する抗アミロイド療法として抗体薬による治療を導入しました。11月には後続の抗体薬が認可されたように、今後もさらに開発が進められることを期待しています。

また、この先端治療に欠かせないPETーCT装置の導入が11月に完了しました。臨床に応用され始めてから20年以上になるPETーCTですが、これまで県北部には1台も稼働していませんでした。この検査は脳アミロイドだけでなく、体に潜む癌を全身から見つけ出すという威力をもちます。今後は近隣の医療機関にも共同利用いただき、この地域の医療レベル向上に貢献したいと考えています。

新年を迎え皆様のご健康とご多幸を祈念するとともに、変わらぬご厚情とご支援をお願いいたします。


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