栄養管理科

診療部門

通院・入院患者さんに対して、食を通じて健康の維持・増進のために医師・看護師をはじめ、院内のさまざまな職種と協力し合いながら、チーム医療の一員として頑張っています。



病院食だけでなく、地域のニーズに合った取り組みを。

病院の栄養部門には管理栄養士・栄養士・調理師・事務職など、複数の職種が集まってそれぞれの業務を行っています。栄養管理科といえば皆さんまず「病院食を作る部門」というイメージではないでしょうか。実際には、病院食づくりだけではなく、他の医療施設に比べるといくつかの特徴的な業務にも取り組んでいます。
中でも「訪問栄養食事指導」を専任の管理栄養士を配置し実施している病院は全国的にも非常に珍しく、全国からも注目されている取り組みです。人口推計によれば、但馬地域の65歳以上の高齢者が人口に占める割合は全国平均をはるかに超えており、将来の日本の超高齢社会が既に到来しています。そのような状況の中、通院困難な治療食を必要とされる患者・家族の皆さんの一助となるように今後も頑張っていきたいと考えています。


病院食の工夫で入院患者さんに食の楽しみを

胃ろう造設患者さんへ 手作りミキサー注入食

食べ物を口から食べられない患者さんへのミキサー食を手作りしています。毎日ベッドサイドでミキサーにかける前のメニューの説明を行っており、患者さんにも大変喜ばれています。


患者さんに合わせた食事を ソフト食・やわらか食

食材の原型が無くなるような刻み食を原則廃止。形はあっても口の中でとろけるソフト食、特別な食材や調理法により、見た目は普通で食べると柔らかい、やわらか食を提供しています。

【ソフト食1号】
食事の飲み込みが困難な方に対応したものです。専用の食材を加熱調理し、さらにトロミ汁をかけることで飲み込みやすくしています。最もやわらかく作られています。

【ソフト食2号】
飲み込みはできるが、歯がないなど噛む力が弱い方に対応したものです。トロミ汁はありませんが、ソフト食1号とほぼ同じやわらかさになっています。

【やわらか食】
飲み込みや噛む力が少し弱く、普通食では硬すぎる方に対応したものです。専用の食材や圧力鍋を使用したり、お肉に酵素の力を利用し工夫をこらして調理しています。見た目はほとんど普通食ですが、食べるとやわらかいのが特徴です。普通食とソフト食の間に段階を作り、嚥下のリハビリのサポートにも活用されています。


緩和ケア・化学療法患者さんへ 自由選択食の即日対応

ほぼ毎日管理栄養士が訪問し、当日に食べたいメニューをお聞きします。一切の制約なく、本人やご家族が希望されたメニューに即日対応し、お食事を楽しんでいただいています。食べたいメニューは「これなら食べられそう」という患者さんの気持ちを尊重し、その日のうちにあくまでも即日対応をモットーとしています。


患者さんの生活スタイルに合わせた食事環境を提案

訪問栄養食事指導

食事療法は必要だがうまくいかない方、噛めない・飲み込めない等でお困りの方、食欲がなく栄養不足が心配な方へ管理栄養士がご自宅へ伺い、在宅で安心して食事が継続できるようお一人おひとりにあった丁寧なアドバイスや簡単な調理実習を行います。


<主な業務>
身体状況のチェック(血圧・体温・体重など)
食事内容と栄養状態のチェック
特別な治療食の確認・食事アドバイス
 (糖尿病食・腎臓食・透析食・心臓食・胃術後食など)
家の調理器具や材料で調理実習
調整食品や介護食品の紹介

いつでも相談にのれる身近な“かかりつけ管理栄養士”
お気軽にご相談ください!


栄養食事指導の工夫

栄養指導を楽しみながら体感 フードモデルの導入

栄養指導に使用するICタグ入りフードモデルのコンピューターシステムです。選んだメニューの良し悪しを瞬時に判定します。栄養指導を楽しく行えるツールです。


食事の自己管理が必要な方に 透析センターで栄養相談

定期的に、透析センターのベットサイドにて管理栄養士が栄養相談をしています。各外来においても医師の指示を受け栄養指導を行っています。


緊急時にも病院食を提供 備蓄食品の確保

被災(食中毒含む)により給食ができない場合は、院内に備蓄されている非常食を使って病院食を作ります。他病院が被災した場合にも必要に応じて、備蓄食を使用した食料支援を行ないます。

東日本大震災発生時にも被災地に備蓄食を提供しました。

院内の集団災害訓練時には訓練の一環として備蓄食の提供も行いました。



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